大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)577 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人赤鹿勇の上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。

憲法第三六条の「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的、肉体的苦痛を内容とする

人道上残酷と認められる刑罰を意味し、事実審の裁判所が、普通の刑を法律におい

て許された範囲内で量定した場合において、それが被告人の側からみて過重の刑で

あるとしても直ちにこれを「残虐な刑罰」ということはできないことは、当裁判所

の判例(昭和二二年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法廷判決、集二巻七号

七七七頁、昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日大法廷判決、集四巻二号

八八頁)とするところである。されば、本件において第一審が被告人に対し懲役二

年六月の実刑を科し、原判決が第一審の科刑は重きに過ぎるものとは認められない

と説示して是認したことを目して、右憲法の法条に違反するということはできない。

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年一〇月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!